医院名:世田谷通り おおさわ眼科
住所:〒156-0054 世田谷区桜丘3-26-4 2階
TEL:03‐3429‐1010

緑内障

緑内障とは

緑内障とは中途失明の原因疾患として日本で最も多い病気です。初期は自覚症状に乏しいため、進行してから気付くケースが多く、特に片眼だけに症状がある場合は無意識にもう片方の眼で補ってしまうため、かなり悪化してから初めて気付いて受診されるケースがあります。緑内障がある方全体でみても、自覚症状がなく眼科を受診していない方は8割以上を占めると報告されたこともあります。進行して失った視野は取り戻すことができません。40歳以上の日本人における有病率は5%と言われており、リスクが上昇する年齢になったら、症状がなくても1度眼科検診を受けるようおすすめしています。

緑内障と眼圧

緑内障と眼圧眼球の丸い形状は、内部から一定の圧力がかかることで保たれています。この圧力が眼圧です。眼圧が低ければ眼球がしぼんで正常にものを見ることができなくなりますが、眼圧が高過ぎると眼球の裏側にある視神経が圧迫されて障害を起こします。主な症状は視野の欠けで、見える範囲の一部が欠けてしまいます。緑内障は眼圧が高過ぎてなるケースもありますが、正常な眼圧で起こる正常眼圧緑内障があり、実は正常眼圧緑内障の方が多くなっています。ただし、正常眼圧緑内障でも、眼圧を下げないと症状が進行してしまうため、眼圧コントロールは不可欠です。

緑内障の原因

緑内障は視神経が障害されて起こる病気で、耐えられる数値以上に眼圧が高くなって引き起こされます。この眼圧には個人差があります。眼球を丸く保っている眼圧は、眼の中にある房水の量によって変わります。房水の排出は隅角から行われ、線維柱帯というフィルターを通ってシュレム管という出口から眼の外に排出されます。

緑内障の分類

原発開放隅角緑内障

フィルターとして機能する線維柱帯が目詰まりを起こして房水の排出が滞り、それによって眼圧が上昇します。視野の欠損もゆっくり進行するため気付きにくく、注意が必要です。

原発閉塞隅角緑内障

房水の排出口である隅角が狭窄・閉塞して流れが妨げられて眼圧が上昇します。ゆっくり進行する慢性型と、急激に発症する急性型があります。眼の痛み、目のかすみ、頭痛、吐き気などの急性緑内障発作があったら、速やかに眼科の治療を受けて眼圧を下げる必要があります。

正常眼圧緑内障

眼圧が正常範囲で発症する緑内障です。最も患者数が多いです。このタイプでも、眼圧を低く保つことで、進行を抑制できます。

発達緑内障

先天的に房水の流れが未発達で起こる緑内障です。新生児や乳幼児が発症する早発型、10~20代で発症する遅発型に大きく分けられ、早発型は急激に悪化しやすく、手術による治療が必要になるケースもあります。

続発緑内障

目のケガや疾患、薬剤などの影響で眼圧が上がっている緑内障です。外傷、角膜疾患、ぶどう膜炎、白内障、網膜剥離、眼の炎症、糖尿病、ステロイド剤などが原因で起こることがあります。

緑内障の症状

緑内障の症状ゆっくりと見える範囲が狭くなっていくため、自覚症状現れた時点ではかなり悪化しているケースが多い疾患です。また、両眼の症状が同時進行することはまれですから、良い方の眼で見て脳が補完してしまい、視野がかなり欠けても気付かないことがあります。緑内障というと高齢者の病気と誤解されやすいのですが、実は40歳前後で発症していることが珍しくありません。リスクの上がる40歳を超えたら、1度眼科検診にいらしてください。

急性緑内障発作

緑内障の症状の中で最も注意が必要なのは、急激に眼圧が上昇して起こる急性緑内障発作です。適切な治療が遅れると失明の可能性もあるため、できるだけ早く受診してください。急性緑内障発作は、眼の痛み、頭痛、吐き気といった強い症状が現れます。こうした症状は脳梗塞などでも起こりうるため、内科や脳神経科を受診される場合もあると思いますが、その際も眼圧検査を必ず受けるようにしてください。

緑内障の検査

緑内障の検査緑内障の診断には、眼圧検査、眼底検査、視野検査などが必要です。健康診断などでこうした検査の異常が指摘されたら、必ず眼科を受診して検査を受けるようにしてください。

眼圧検査

眼の表面に直接測定器具を当てる検査と、眼の表面に測定機器で空気を吹き付ける検査があります。眼圧の正常値は1021mmHgとされています。治療中の経過を確認する際にも行われます。

視力検査

緑内障でも視力低下は起こりますので、一般的な視力検査を行います。

眼底検査

視神経の状態を確認する検査です。視神経乳頭部の陥凹(へこみ)の形を観察して変形やサイズの異常がないかなどを確認し、視神経障害の有無を調べます。

視野検査

視野の欠損の有無、そのサイズを確認して、進行状態を判定します。

OCT(光干渉断層計)

OCTとは、網膜を三次元で解析してくれる検査機器です。視神経の厚さを調べ緑内障の進行度を確認します。

隅角検査

隅角は房水の排出される部分です。隅角の広さや以上の有無を検査して、緑内障のタイプを診断します。

当院の治療

当院の治療視神経が受けた障害を元に戻すことはできないため、緑内障は完治が不可能ですが、適切な治療を続けることで進行を止める、あるいはゆるやかにすることは可能です。視神経がこれ以上ダメージを受け、視野の欠けが広がらないようにします。
基本的に眼圧を下げる点眼薬で治療を行います。房水の産生を抑制する薬、房水の流出を促す薬などさまざまな作用の点眼によって、眼圧を低く保ちます。眼圧が高くない場合も、眼圧を下げると緑内障進行を抑制できます。

レーザー治療(SLT)

レーザー治療は、隅角にある線維柱帯にレーザーを照射して、線維柱帯内のメラニンを破壊します。これによりつまりが解消され、房水の流れがよくなり、眼圧が下がります。
再度、眼圧が上昇してしまった場合でも、繰り返しレーザー治療を受けることが可能です。
治療時間も10分程度で、点眼麻酔を使用するので痛みもほとんどありません。
当院では、エレックス社のタンゴオフサルミックレーザーを導入しております。

定期的に検査を受けましょう

緑内障は日本人の失明原因の第1位です。ただし、早期発見と適切な治療で視神経の障害を最小限に抑えることで、将来的にも日常生活を支障なく行うことができます。欠けてしまった視野を取り戻すことはできないため、地道に進行を抑制する治療を続けていくことがとても重要です。せっかく早期に発見されても、日常生活にほとんど不自由がないため、つい治療をおろそかにしてしまうケースがありますが、進行させてしまうと大きく視野が欠けてしまいます。生活の一部として、しっかり治療や通院を習慣付け、いつまでも快適に過ごせるよう、当院では親身にバックアップしています。お気軽にご相談ください。

電話番号03‐3429‐1010
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